2020年から英語教育改革が導入され、小学校では本格的に英語の授業がスタートしています。
気になる学習内容や通知票、中学受験の様子などを簡単にまとめました。
3~4年生から始まる外国語活動や、5~6年生から教科になる英語授業内容についてまとめたので、ぜひご覧ください。
目次
英語教育改革ってなに?
文部科学省の英語教育改革とは、子供達の英語力を上げるため、小・中・高等学校での英語教育の充実・強化を図る取り組みのこと。
グローバル化の進み、多様な文化や言語をもった人たちと一緒に働く可能性があるため、これからの英語は4技能が求められます。
人や情報など国境を越えた活動が活発になり、広い視野と国際的な理解や協調性が不可欠になっています。
英語は国際的共通語の中心で、21世紀を生き抜くには英語のコミュニケーション能力を身につけることが重要です。
しかし現時点での日本のTOEFL(トーフル※英語能力検定)の平均スコアは、アジアの中で下から2番目という残念な結果が出ています。
文部科学省では、日本人の英語能力は国際的に見ても足りておらず、英語教育を充実させると提言しています。
今のままでは英語のスキルが足りないから、学校授業のレベルを上げて英語力を高めるというもの。
そのため、今まで必須ではなかった小学校の英語の授業が本格的にスタートしました。
小学3・4年生から「外国語活動」が導入
- 年間授業時間は35~70時間(週1~2コマ程度)
- 英語の音声やリズムなど慣れ親しむ
- 「聞く」「話す」ことの言語活動
出典:⽂部科学省「平成33年度⼤学⼊学者選抜実施要項の⾒直しに係る予告の改正について」
今まで小学5年生から始まっていた外国語活動が前倒しされ、小学校3~4年生から開始されます。
小学3~4年生の授業数は、週1~2コマ(45分~1時間30分)です。
具体的には、「基礎的な英単語や、挨拶や交流など簡単な英会話の学習です。
「聞く」ことで音声を慣れ親しみ、次に「話す」ことでコミュニケーション能力の基礎を養います。
主にヒアリングとトーキングを使って、積極的にコミュニケーションを図ります。
3~4年生の間はテストや成績はないので、通知票にA、B、Cいった評価もありません。
小学5・6年生で英語が教科として開始。評価が通知票に
- 授業数は、週に2回(45分×2)
- 成績(通知票)がつく
- 活字体の大文字・小文字の読み書き
- 語順への気付き
- 聞く、話す+文字指導(読む、書き写す)の導入
出典:⽂部科学省「平成33年度⼤学⼊学者選抜実施要項の⾒直しに係る予告の改正について」
5~6年生からは、「読む」「書く」がプラスされた授業になります。英語が教科として加わるため、しっかり成績に評価が付きます。
語彙や文法の知識量ではなく、パフォーマンスを通して、言語や文化に関する気付きや、コミュニケーションへの関心や意欲、 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を評価。
「聞くこと」や「話すこと」などの技能が中心で、授業数は、週に2回(45分×2)、年間70単位時間です。
小学生の英語教育の目標は、「コミュニケーション能力の基礎を養い、英語の基礎を修得」です。
高学年では、身近な会話を使って、英語に慣れ親しみ、積極性と初歩的な能力を養っていきます。学習力は、英検5級程度の学習になるかと思います。
中学生、高校生の英語教育の変化については、こちらにまとめましたのでぜひご覧ください。
【小・注・高】の目標と改善点を短くまとめると
- 【小学生】3~4年生から「外国語活動」を実施。5~6年生から教科として加わる。英語の基礎を修得「聞く」「話す」「読む」「書く」のコミュニケーション能力の基礎を養う
- 【中学生】英語で授業が進む。身近な話題の理解や表現、簡単な情報交換ができるコミュニケーション能力を養う。文法を学ぶ。中学校卒業段階での目標は、英検3級程度以上
- 【高校生】英語で授業が進む。幅広い広い話題について、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を高める。高等学校卒業段階での目標は、英検準2級程度~2級程度以上を達成した割合が50%以上
中学生から語彙数と文法など学習量が増加
中学生からは、授業時間数は変わらないのに、学習内容はレベルアップします。「聞く」「話す」の割合が占め、習得語彙数や文法事項も増加。
授業がすべてオールイングリッシュ化します。生徒と教師との質問や発表や、生徒同士のやり取りまで、すべて英語で行います。
そして今までの習得しなければならない語彙が、1200語だったのに対し、これからは1600~1800語に増加します。
さらに、今までは高校生で学習していた「仮定法」や「原型不定詞」などの文法事項が加わります。
出典:小中高における新学習指導要領実施前後の目標単語数の比較
【中学受験】英語入試の導入の傾向
中学受験の入試科目に英語を取り入れる学校は増加傾向にあります。入試で求められるレベルは、英検4級程度から準1級と幅広いです。
形式は、従来の4教科入試と、国・数・英の3教科のどちらかを選択。あるいは国・数・英の中から2教科を選択など様々です。
慶應義塾湘南藤沢中等部が、2019年入試から英語試験を導入すると発表し、開成は中学入試で英語を検討しているので、今後も増加傾向になってゆくかもしれません。
2020年以降、大学入試においてセンター入試が廃止され、大学入学共通テストに変わるため、よりスキルの高い英語力を身につけることが重要になってきます。
志望校によって求められる英語のスキルは異なりますが、今後、子供の受験において今までよりさらに、コミュニケーションを重視した英語のスキルを上げる必要になります。
グローバル化が進む中、お子さんの可能性を広げるためにも、英語学習。
2020年度以降の大学入試では、高い英文読解力やリスニング力が試されます。
また「書く」「話す」ためのアウトプット力や、文法力や語彙の活用能力が求められるようになっていきます。
こうした力はすぐに身につきません。小・中・高を通じて、基礎をかため英語力を養っていく必要があります。おうちの方も今からできるサポートをしっかりしていきましょう。
新型コロナ感染拡大防止のため、各学校でオンライン授業が始まっています。ぜひご覧ください。
後記
語学は小さい頃から始めるのが肝心と言われています。改革で早くから授業が始まりますが、学校の授業に積極的に参加でき、また受験対策の準備も必要になると思いますので、それぞれのご家庭でお子様に合った学び方を早い時期からスタートするとことをおすすめします。